第196章

 夜、S市は煌々たるネオンの光に包まれていた。

 高橋空はハンドルを握り、葉原遥子を乗せてマンションへの帰路についていた。

「今度、新しくできた射撃場に連れてってやるよ」

 高橋空はバックミラーにちらりと視線をやり、薄く笑う。

「オーナーとは昔馴染みでな。置いてある銃は全部、本物を改造したシロモノだ」

 その言葉に、後部座席の葉原遥子は顔を上げて彼の背中を見つめた。その瞳には微かな笑みが浮かんでいる。

 彼女が何か答えようとした、その時だった。後方から鼓膜をつんざくようなタイヤの摩擦音が轟いた――。

『ドォン!』

 凄まじい衝撃が車体を揺さぶる。

 葉原遥子は驚きでスマホを...

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