第197章

翌日の午後、火曜日。YORAグループ本部。

葉原遥子は資料を会議テーブルの中央に滑らせ、指先でトントンと叩いた。

「調べがついたわ。昨夜のクロカンの持ち主は宮本海、三十七歳。重度のあおり運転の前科持ちで、傷害罪で五年の服役経験があるそうよ」

平沢逸がファイルを覗き込む。写真は坊主頭で、陰湿な目つき、顔の下半分に走る醜い刀傷が写っていた。彼は口笛を吹く。

「ヒューッ。こりゃまた、いかにもって感じの悪人面だな」

「問題は、誰が指示したかよ」

松本彩は腕を組み、一同を見回した。

「銀行記録を洗ってみたけど、一昨日に五十万の謎の入金があったわ」

彼女は一呼吸置き、不機嫌そうに続ける。...

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