第198章

午後四時半、警察署。

廊下の冷ややかな白い照明が、希釈された消毒液の臭いが漂う無機質な空間を照らし出している。

取調室に連行された葉山圭吾は、囚人服に身を包んでいた。その顔色は紙のように白く、瞳は虚ろで、以前よりも一気に老け込んだように見える。

葉原遥子たちが部屋に入ってくるのを見ると、彼は口元を歪め、卑屈で醜悪な笑みを無理やり作った。

「遥子、私の可愛い姪っ子よ。お前は……」

「葉山圭吾。あなたを親族だと思ったことはありません」

葉原遥子は冷徹な表情で言葉を遮る。彼と挨拶を交わすつもりなど毛頭ない。彼女は懐中時計を取り出し、テーブルの上に置くと単刀直入に切り出した。

「この懐...

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