第212章

氷川の祖母の胸が激しく上下し、その濁った目に凶暴な光が宿る。まるで目の前の葉原遥子を生きたまま食らい尽くさんばかりの形相だ。対する葉原遥子は、ただ余裕の笑みを浮かべてその場に佇み、一歩も引く気配を見せない。

「お婆様。氷川グループも腐っても百年の老舗……可愛いお孫さんの手で、それを灰にするのは忍びないでしょう?」

葉原遥子はゆっくりと腰を下ろし、テーブルの上で両手を組んだ。その冷淡な口調には、底知れぬ狡猾さが滲んでいる。

「政略結婚に企業の乗っ取り、それに数々の裏取引……。氷川グループはそうやって今の地位を築き上げてきた。ですが、それらがすべて公になり、さらにグループ代表の個人的なスキ...

ログインして続きを読む