第221章

高橋お爺様の言葉を聞いて、葉原遥子は振り返り、静かに首を横に振った。

「色でも、値段でもありません」高橋お爺様はゆったりとした口調で言った。「選ぶべきは、一見弱そうに見えても、生命力が強い魚だ。餌を争ってあちこち泳ぎ回る奴は、活発そうに見えても実は早死にする」

彼は三匹の紅白ランチュウが泳ぐ水槽を見つめ、ゆっくりとしゃがみ込んだ。

「これを見ろ」

彼が指差したのは、水槽の隅にいる、少し痩せて色が薄いランチュウだった。「こいつは餌を奪い合わず、目立とうともしない。だが毎日一番多く食い、一番安定して泳いでおる。わしが今回ここへ来たのは、こいつのためだ」

「おっしゃる通りです」葉原遥子は...

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