第27章

「どうしてお酒を高橋空に売ったの?」朝日は食事ものどを通らず、胸がつかえる思いだった。

葉原おじさんは慌てた様子で「そ、そうだよ、遥子、高橋空は危険な男だ。どうして彼と関わるようになったんだ?」

葉原遥子は俯いて「おばさま、氷川晨があの女子大生といつも一緒にいるのは知ってるのでしょう?あの日のオークションにも彼女を連れて行った。腹が立って、オークションで邪魔をしたの。そのとき私とこのお酒を競り合っていたのが高橋空だった」

彼女は一旦言葉を切り、味噌汁を一口飲んでから続けた。「私はどうしてもそのお酒を手に入れたくて、高橋空が譲ってくれた。でも手に入れた後、どう扱えばいいか分からなくて。そ...

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