第41章

高橋空が出かけてまもなく、松本彩はくすくす笑いながら平沢逸に尋ねた。「ねぇ、信じる?うちの弟、遥子のために朝ごはんを買いに行ったのよ」

平沢逸は眉を上げた。以前なら絶対に信じなかっただろうが、高橋空のさまざまな行動を目の当たりにした今となっては、信じざるを得なかった。

「もちろん信じるさ」

そう言って、平沢逸は意味深な視線を葉原遥子に向けた。

葉原遥子の手の動きが一瞬止まった。彼女は諦めたように言った。「平沢さん、からかわないでください。高橋さんはお忙しいでしょうから、きっと重要な用事に行かれたのだと思います」

松本彩は目を瞬かせ、真摯な眼差しで言った。「遥子、うちの弟ね、普段は結...

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