第44章

「松本姉さん、落ち着いて、考えさせて」葉原遥子は額に手を当てながら呟いた。氷川晨は佐藤愛のためなら何でもするつもりらしい。これは絶対に懲らしめないと。「いい方法があるわ」

電話の向こうで松本彩は深呼吸をして、少し落ち着いた様子で尋ねた。「何をするつもり?」

葉原遥子は軽く笑って答えた。「後で教えるわ」

それを聞いて、松本彩もこれ以上は聞かなかった。「わかった、良い知らせを待ってるね」

電話を切ると、葉原遥子は通信アプリを開き、未読メッセージを確認した。彼女が氷川晨の尾行を依頼していた私立探偵から、数枚の写真が送られてきていた。

葉原遥子はそれらの写真を見て、唇の端をかすかに上げた。...

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