第12章 スープ

 

病室の人間は次々と退出し、残ったのは池田暁月、新井飛鳥、そしてベッドに横たわるお爺様だけだった。

暁月はバッグから銀針を取り出すと、迷いのない所作で施術を始める。

速い。だが雑ではない。

一本ごとに狙いは寸分違わず、どこか独特の「型」がある。

指先が舞うたび、銀針がす、と落ち、ツボへ正確に収まっていく。

三本目が入ったところで、お爺様のまぶたがわずかに震えた。

暁月は止めない。さらに三本。

バイタルが完全に落ち着いたのを確認してから、ようやくゆっくりと針を抜いていく。

額には薄く汗がにじんでいた。けれど手元は、機械のように揺れなかった。

「……終わり」

淡々と告げる。...

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