第20章 彼女はやはり彼女だ

 

「順調に回復していますね」

彼女は淡々と、事実を告げるように言った。

「予想よりもずっといい。このまま薄味の食事を続けて。滋養だとかいうサプリは要りません。それと、1カ月はベッドから降りないでください」

「はいはいはい、ぜーんぶ言うとおり」

新井爺様はますます嬉しそうに笑った。

半世紀以上生きていれば、目の前で腰を低くし、機嫌を取ろうとする人間なんて山ほど見てきた。

けれどこの子は違う。やるべきことを淡々とやり、卑屈にもならず、かといって偉ぶりもしない。まるで新井爺様を「ただの患者」として扱っているみたいだった。

それが――新鮮だった。

新谷若夜は傍らに立ち、娘と新井爺様...

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