第21章 本気で好き

池田暁月は肯定も否定もせず、玉佩をしまい直して小さくうなずいた。

「じゃあ、先に失礼します」

「ええ。気をつけて帰りなさい。若夜さんも、どうぞご無理なさらず」

新谷若夜は立ち上がると、新井爺様にそっと頭を下げた。

「新井おじさん、また日を改めて伺いますね」

「はいはい」

新井爺様はにこにこと手を振る。

「君たちは忙しいんだ。わしのことは気にせんでいい。つきちゃんがいてくれるなら、わしも安心だ」

母娘が病室を出ると、廊下はふっと静けさを取り戻した。

新井爺様はベッドに身を預け、頬の笑みをゆっくり引かせる。代わりに浮かんだのは、考え込むような表情だった。

そこへ秘書が入ってき...

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