第28章 包囲

周防未敏は深く息を吸った。

そしてクラスを見渡し、はっきり告げる。

「もう学生の域じゃありません。私はこの教室で五年間見てきましたが――いまのは、いちばん素晴らしい即興でした」

教室が、どっと沸いた。

「マジで? 先生がそこまで言うの?」

「え、さっき『準備してない』って……落書きみたいに描いてたのに?」

「線……やば。あんなにスルスル引けないよ、私」

「配色も神ってる。2色しか使ってないのに、一気に高級感出てる」

「……何者なの、あの子」

宮本明珠は椅子に座ったまま、石みたいに固まっていた。

周囲の視線が変わっていくのが分かる。

池田暁月へ向けられていた軽蔑や好奇の目...

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