第43章 明日から来なくていい

彼の顔色は、頭から墨汁でもぶっかけられたみたいに、さっと真っ黒に染まった。

周防は踵を返すなり、販売員の手からそのドレスをひったくる。声を落としたつもりでも、怒気は隠しきれない。

「お前、何をしでかした! 新谷様にそんな失礼を――!」

言い終えるや否や、今度はくるりと向き直り、両手でドレスを捧げ持つようにして新谷若夜の前へ差し出した。さっきまでの剣幕が嘘みたいに、顔いっぱいにへつらう笑みを貼りつける。

「新谷様、こちらは今季ショーで出た限定品でして、日本では2点しか入っておりません。お気に召しますでしょうか。ほかにも今季の新作ライン、まだ店頭に出していないものもございます。すべてお持...

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