第350章 親でも見分けがつかないほど殴る

野村恵子の怒鳴り声に、周囲の人々は思わず高橋美桜の方を二度見した。

身に纏うのはハイブランドの服ばかりで、容姿も端麗。まさかそんな人間だとは夢にも思わなかっただろう。

「図々しいにも程があるわ。育ての恩は何よりも重いっていうのに。母親にどんな過ちがあっても、育ててくれた恩人じゃないか」

「目下の人間が親にあんな態度をとるなんて、酷すぎる」

「姉の旦那を奪うなんて、吐き気がするわ。なんでこんな女が藤崎家にいるのよ?」

「藤崎蓮様は目が節穴なのかしら……」

野次馬たちは口々に高橋美桜親子を非難する言葉を並べ立てる。それだけならまだしも、矛先は次第に悠くんへと向かい始めた。

「あんな凶...

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