第7章

警察署の蛍光灯が、金属製の椅子に手錠で繋がれた瑛太の顔に、どぎつい影を落としていた。

「坂井瑛太、お前には複数の重罪容疑がかかっている」田中刑事が、分厚いファイルをテーブルの向こうから滑らせながら言った。「性的暴行、詐欺、恐喝、共謀。事の重大さが分かっているのか?」

坂井瑛太はようやく口を開いたが、その声はひび割れていた。「全部誤解なんです。中島の嘘っぱちだ!」

マジックミラーの向こう側から、二年もの間、私の人生を支配してきた男が、完全に崩れ落ちるのを見ていた。

その朝、地元のニュースがこの一件を取り上げていた。『衝撃のキャンパス暴行事件で地元の大学生を逮捕』

私は佐藤松...

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