第7章

ダンテ視点

 ダンテは声が出なかった。身動きひとつとれなかった。まるで誰かに血管へ氷を注入されたかのように、全身の感覚が麻痺していた。

 アマンダが祭壇にたどり着き、足を止める。シルベスターが彼女に向き直り、慣れた手つきで慎重にベールを持ち上げ、後ろへと折り返した。

 その顔は、完璧というほかなかった。化粧は控えめだが非の打ちどころがなく、髪は優雅なアップスタイルにまとめられている。かつて自分が結婚した女性とは、まるで別人のようだった。

 いや。自分が彼女を壊してしまう前の、あの頃の彼女に見えたのだ。

 神父が言葉を紡ぎ始めたが、ダンテの耳には一語も入ってこなかった。ただ、祭壇に立...

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