第35章 教訓をまとめる

夢ちゃんが作ってくれた美味い魚のスープを飲みながら、俺は目を細め、今回の出来事を振り返っていた。

まずは自分を褒めてやらねばなるまい。田中威の陰湿な手口をいち早く見抜き、自身が危険に陥るのを未然に防いだのだから。これは非常に幸運なことだった。もし俺があの穴に落ちていたら、怪我を負い、下手をすれば田中威に隙を突かれて完全に殺されていただろう。

だが今、俺は用心深く警戒したおかげで、変わらず健康体であり、しかもより良い暮らしを送っている。これは維持すべき長所だ。

俺は視線を、まだ洞窟の中にいる中村京子に向けた。彼女は反省の態度が良かったため、鈴木清たち心の優しい女たちは、またしても彼...

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