第54章 ヘリコプターの残骸

「どうしよう?」

鈴木清は落胆した様子で俺に抱きついてきた。豊満な乳房が俺の胸に押し付けられるが、今の俺に余計なことを考える余裕はない。あの地中の穴で見たドイツ軍将校の死体のことを思い出していた。

もしかしたら、このヘリコプターは彼のものだったのかもしれない。飛行中に故障し、俺たちと同じようにこの無人島に不時着したのだ。

「大丈夫だ。救助隊のヘリじゃなくても、ここには利用できる物資があるはずだ。例えば金属板とか。それを持ち帰れば、もっと頑丈な小舟を作れるかもしれない」

俺が励ましの言葉をかけると、鈴木清の表情は見る見るうちに変わっていった。

彼女は驚いたように俺を見つめ、俺が...

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