第55章 寒波の発生

焼き魚が炎の上で転がり、自家製の海塩と、夢ちゃんが森で集めてきたスパイスが振りかけられている。洞窟はもはや最初のような粗末なものではなく、中には簡素で粗末ながらも実用的な品々が揃っており、生活感に満ちた小さな集落のようだった。

俺たちは生活を愛し、そして強く生き抜こうとしていた。

それから数日、俺たちは海綿の一部を草のマットの上に敷いた。海綿は柔らかく、体温をうまく保持してくれるので、夜に休む時、より快適に眠れるようになった。

それと同時に、食料の備蓄にも力を入れていた。俺の考えでは、船を造るにしても、まず十分な食料の備蓄があってこそ、小型船の製作作業に取り掛かれるのだ。

俺...

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