第71章 異なる二人

鈴木清の言ったことが全て正しいわけではない。だが、彼女の言葉は確かに俺にとって非常に有利なものだったので、俺もそれを止めるつもりはなかった。

この女たちは、実は無人島生活における、非常に些細でありながら、それでいて極めて重要な役割を担っていた。

例えば飲み水の収集、あるいは身体の洗浄など。こうした細かいことは、俺がこれまであまり口にしてこなかったが、ずっと彼女たちが担当してきた。これらの小さな仕事もまた、非常に重要なのだ。

ただ彼女たちにしてみれば、狩りや防寒物資の収集に比べ、これらのことは俺の前で自慢するほどのことではないと思っていたのだろう。

俺は鈴木清を抱きしめ、その唇...

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