第75章 危険な発見

走りながら息が少し切れてきた。洞窟からそう遠くない場所で、鼻をひくつかせて空気を吸い込んだとき、俺の心を凍り付かせる匂いがした。

「どこからだ、この血の匂いは。こんなに濃い血の匂いが、どうして俺たちの洞窟の近くで……。野豹や鹿を処理する時でさえ、わざわざ洞窟から遠く離れた場所でやったっていうのに。洞窟の周りに、隠しきれないほどの血の匂いがつかないようにするためだぞ」

匂いを頼りにあたりを探すと、すぐに、俺たちの洞窟周辺の雑木林の中に、広範囲にわたる血痕があるのを発見した。血痕はまだ新しく、その上には細かな肉片まで残っている。

痕跡から見るに、これは何かの動物が怪我をして残したものでは...

ログインして続きを読む