第34章 誕生日

杉山玉堂は長谷川寂の足を軽く踏みつけた。「人が親切心で手伝いに来てやってるのに、なんでそんなに嫌味っぽい言い方するんだ?」

続けて杉山玉堂は佐久本令朝の方を向き、説明するように言った。「この長谷川寂は大学の頃から口が悪くてな。あんたは気にしなくていい」

佐久本令朝は頷いた。「もう長谷川隊長のお言葉は自動的にフィルタリングできるようになりましたので」

長谷川寂は舌打ちを一つした。

その時、長谷川寂が口を開いた。「周防譲青が急にあんなふうになったのは、何かあったからに違いない。ここ数日、誰か面会に来たか?」

杉山玉堂は真剣に考え込む。

長谷川寂は、それとなく佐久本令朝に視線を向けた。...

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