第7章

「EPAが、俺に一千五百万ドル払えって言うんだ! なんか浄化費用とかで、俺の責任だって!」

祖母は心配そうな顔をした。「あらまあ。でも、あなたは社長として、会社の義務についてはご存じだったのでしょう?」

「義務なんて知らない! 俺は肩書きが欲しかっただけだ! オフィスも! 尊敬も!」

「でも大輔、あなたはその書類に署名したのでしょう。全権を握ったのですよ」

「読んでない! 法的な書類なんて誰も読まないだろ!」

『法的な書類なんて誰も読まない?』今まで聞いた彼の言葉の中で、おそらく一番馬鹿げた台詞だった。これまでだって、馬鹿なことは散々聞いてきたけれど。

「それに、まだあるんだ」...

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