第4章

錦浦アートターミナルの巨大な展示ホールの中で、私のブースC-47は、世界の果てに取り残された孤島のように感じられた。周囲には成功したアーティストたちの洗練されたディスプレイが豪華に並ぶ一方、私にあるのは使い古された白いテーブルと、みすぼらしい間に合わせの展示パネルが数枚だけ。

「これが、最後のチャンス……」

私は新しく設置したばかりの作品『砕かれた真実』を見つめた。三年間にわたる私の「断片化された記憶」シリーズの集大成だ。自身の芸術的進化の年月を込めたこの作品を展示するために、私はけちなけなしの三十万円を、出展料、輸送費、そして今月分の家賃に費やしてしまった。もしこれが失敗に終われ...

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