第16章 お金の問題じゃない

希美は一瞬だけ固まって、それでようやく――自分のカードが凍結されていることを思い出した。

自嘲気味に口元をゆるめ、何事もなかった顔で別のカードに差し替える。振り返ると、中野友香が心配そうにこちらを見ていた。

「希美、大丈夫?」

希美は首を振り、スマホをポケットへ戻す。

「平気。……婚前の財産には手をつけてこなかったから。これで、しばらくは生活できる」

その言葉に友香は胸を痛めたようで、希美をぎゅっと抱きしめ、夏川翔太のことをもう一度だけ容赦なく罵って、ようやく落ち着いた。

二人で病室へ戻ると、さっきの男の子は目を覚ましていた。布団の端で小さく身を縮め、所在なさげに周囲を見回してい...

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