第37章 私はあなたが沙梨おばさんをこれ以上傷つけることを許さない

希美には分かっていた。この程度のトレンド入りなんて、伊藤沙梨が数日叩かれて終わる程度だ。

だってネットは、すぐ忘れる。

夏川翔太が伊藤沙梨を守り続けるかぎり、希美がどれだけ騒いだところで意味はない。

だからこそ希美は、この熱を利用した。以前から悪質な中傷を投げつけてきたファンを片っ端から訴え、世間の同情と好感を「取り戻す」。ついでに、西村智也には新たに二件、コラボの仕事まで取ってきた。

週末。

西村智也はメイク室の椅子にぐでんと凭れ、半分寝たような目で、横で延々と段取りを口にする希美を睨みつけた。奥歯をぎり、と噛みしめる。

「希美。お前さ……夏川翔太のマネジャーやってた頃も、本人...

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