第41章 人が死ぬぞ

「『一文無しで出ていく』――そう言われた瞬間、希美はさすがにじっとしていられなくなった。

「どうして? 悪いのは向こうでしょう。法律だって、そんなの許さないはず!」

希美は勢いよく立ち上がり、声に焦りが混じる。

けれど谷口悠人は、彼女を見上げる目にわずかな諦めと無奈を滲ませた。

「希美。まずね、証拠の筋が弱い。君が集めたのは、夏川翔太と伊藤沙梨が一緒にいる写真や動画、それと伊藤沙梨の挑発くらいだ。決定的に『不貞』だと断じられる証拠にはならない」

「それから、夏川家は名門だ。君が太刀打ちできる相手じゃない。彼らが本気で隠したいなら、証拠を消すくらい簡単だよ」

「最後に。離婚になった...

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