第54章 まずい、彼女も身代わりになった

その事実に気づいた瞬間、夏川日向はもう堪えきれなくなって、「わあっ」と声を上げて泣き出した。

加藤さんは脇に立ったまま、スマホを握っておろおろするばかりで、どう宥めればいいのか分からない。

夏川翔太と伊藤沙梨が駆けつけたとき、目に入ったのは、枕を抱えた日向が息も継げないほど泣きじゃくっている姿だった。

伊藤沙梨は慌てて近寄り、胸に抱きしめて、やわらかな声で言う。

「日向、どうしたの? どうしてこんなに泣いてるの?」

日向は何も答えない。ただ、泣き声だけが一段と大きくなった。

加藤さんが事情をかいつまんで説明すると、夏川翔太の眉間がきゅっと寄った。

「つまり、希美はずっと日向のと...

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