第15章
帰り道、私は上村先生に史人のことの真相を伝えた。
上村先生は史人の手のひらを物差しで強く叩いたが、先生の目が先に赤くなったのがはっきりと見えた。いつもは厳しいその両目に涙が溢れていて、私は一瞬どうしていいか分からなくなった。
「これがどれだけお前自身に影響するか分かっているのか?」
上村先生の声は少し震えていた。
「分かっているのか……」
史人は避けもせず、眉一つ動かさなかった。それどころか、彼は笑って慰めるように言った。
「泣くなよ。平気だって」
その一言が、上村先生の堪えていたものを完全に打ち砕いた。先生は物差しを放り出し、背を向けて目を拭った。上村先生の奥さんが...
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