第6章

終業のチャイムが鳴るや否や、神代史人が教室のドアの前に立って私を待っていた。私が鞄の支度を終えると、彼は戸枠に寄りかかり、その金髪が夕陽を浴びてひどく眩しく輝いているのが見えた。

「ついてこい」

彼は私に手招きし、その口調には拒絶を許さない確固たる響きがあった。

彼について校門まで行くと、色とりどりの髪に染めた不良少年たちが数人、すでにそこで待っていた。その中の一人、小山という名の男子生徒に見覚えがあった。以前、神代史人と一緒にいたことがある。

「聞け」

神代史人は私を指差して彼らに言った。

「今日から、お前ら交代でこいつを家まで送れ。無事に家に着くまでだ」

小山は頭を掻いた。

「史人さん、いつまで俺たちが彼女を護衛するんですか?」

「俺がやめろと言うまでだ」

神代史人の声は低く、決然としていた。

私は静かにその光景を眺めていた。心の中に奇妙な感覚が芽生える。前の人生では、誰一人としてこんなふうに私を守ってくれた人はいなかった。神代良佑でさえ、私を利用しただけだった。

「今日は誰が送る?」

神代史人があたりを見回す。

「俺が行きます」

小山が手を挙げた。

「どうせ家も同じ方向なんで」

こうして、それから数日間、いつも一人の不良少年が遠巻きに私について家まで来るようになった。彼らは見た目こそ凶悪だったが、実際には行儀よく、決して一線を越えることなく、私が例の古びた住宅地へ無事に着くのを見届けるだけだった。


最近、母はずいぶんとおとなしくなった。神代史人が渡した金が、一時的に彼女の欲望を満たしたのだろう。だが、これが束の間に過ぎないことは分かっている。彼女の貪欲さが真に満たされることなど、永遠にないのだから。

「あのクソガキ……」

母が台所で低く罵るのが聞こえた。

「十何年も育ててやったってのに、今じゃ刃物で私を脅しやがって」

父はまた家にいない。おそらくパチンコにでも行っているのだろう。この家は、もとより家などではなく、私がただ帰らなければならない場所に過ぎない。

私はわざとナイフを取り出し、食卓に座ってそれを研ぎ始めた。金属が擦れる音が、狭い空間にことさら甲高く響き渡る。母が振り返り、私の動きを見て、顔がさっと青ざめた。

「あんた……何するつもり?」

その声は震えていた。

私は答えず、ただナイフを研ぎ続け、静かな眼差しで彼女を見つめた。

弟が部屋から顔を覗かせ、私が何をしているのか見に来ようとしたが、母はすぐに彼を引き戻した。

「彼女に近づくな!」

私の口角が微かに上がる。この家でほんの少しでも主導権を握れたと実感したのは、これが初めてだった。


翌日、学校で一大事が起きた。

上村先生が自ら、かつて私をいじめていた女子生徒数名とその保護者を呼び出し、職員室で長い話し合いを行った。その後、彼女たちは教室の前に連れてこられ、私に公の場で謝罪することを強いられた。

「ごめんなさい、温井さん。私たちがあなたをいじめるべきじゃありませんでした」

彼女たちは俯き、声はほとんど聞き取れないほど小さかった。

彼女たちを見ても、心には何の勝利の喜びもなく、ただ奇妙な静けさがあるだけだった。この謝罪に私にとって何の意味もないが、これが神代史人の仕業であることは分かっていた。

放課後、私は上村先生を訪ね、この件がどういうことなのか尋ねた。

「神代の奴が証拠を寄越したんだ」

上村先生は溜め息をついた。

「あいつ、奴らがお前をいじめているところをスマホで撮っていたんだ」

私は頷き、何も言わなかった。

「温井」

上村先生が不意に真剣な表情になった。

「君がナイフを持ち歩いていると聞いたが、本当か?」

私は制服のポケットを叩いた。確かにそこにはナイフが隠してある。

「はい」

「頑固者め! どいつもこいつも頑固者だ!」

上村先生は怒って机を叩いた。

「君と神代史人はまったく同じだな!」

彼は深呼吸し、必死に感情を鎮めようとしている。

「温井、人生にはたくさんの道がある。一時の衝動で自分の将来を台無しにする必要はない。ナイフを出しなさい」

私は動かなかった。

「分かった」

上村先生は諦めたように首を振った。

「せめて、学校で出さないこと、そして誰も傷つけないこと、自分自身も含めてだ。それを約束してくれ」

私は頷いた。

「約束します」

「神代さんは?」

私は尋ねた。

「今日、学校に来ていませんが」

上村先生は窓の外に目をやり、複雑な口調で言った。

「あいつも、自分の道を歩んでいるのさ」

私はその言葉を静かに胸に刻んだ。おそらく神代史人は未来のために準備をしているのだろう。そして私がすべきことは、彼が高校時代を平穏無事に過ごせるようにすること。前の人生のように、濡れ衣を着せられ、嘲笑され、罵倒され、そしてついには十七歳でこの世を去ることのないように。

それが、私が生まれ変わった意味であり、唯一の執念なのだ。

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