第137章 セラフィムの力

浅倉彩実が言い終えた、その瞬間。

積み上げられた魔道具の山の奥から、突然「カサカサ……」と何かが這い回る音がした。

次いで、黒い猫が――手品師の小道具に紛れていたらしい――のそりと姿を現す。

全身が夜みたいに真っ黒で、緑の瞳だけが鮮やかだった。まるで祖母緑の宝石。

大きく伸びをして、ふぁ、と欠伸。尖った牙がちらりと覗く。

「アーズベルク! やっと起きた!」

浅倉彩実は嬉しそうに駆け寄り、抱き上げようと手を伸ばした。

けれどアーズベルクはひらりと身を翻し、そのままグルー院長のほうへ一直線。

「タッタッタッ」と椅子に飛び乗り、ずい、と院長の胸元へ潜り込む。

「にゃ」と一声...

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