第138章 普通の儀式用ナイフ

「セラフィムの力……?」

浅倉彩実も釣られるように立ち上がり、顔には信じがたいという色がありありと浮かんでいた。

「グルー院長、見間違いじゃないですよね?」

「セラフィムの力って、伝説の『神に選ばれし者』だけが持つものじゃ……?」

「花村秋人はただの一般人なのに、そんなはず――」

花村秋人は「セラフィムの力」が何なのか分からないまま、それでも言われるがまま右手のひらを開いた。

次の瞬間、目を疑う光景が起きた。契約を結んだ際に掌に残った淡い金色のペンタグラムの刻印が、ふいに眩いほどの光を放ち始めたのだ。光の中には細かな金の粒が混じり、砕けた星屑のように、掌の上をゆっくりと流れていく。...

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