第百四十章 お金大好きな子の心痛

声が落ちた、その瞬間だった。

床に散らばっていた青銅のペンタグラム、水晶球、呪術用の薬草が、見えない糸にでも引かれたみたいにふわりと宙へ浮き上がる。魔法の杖が示す方向へするすると滑り、ひとつ残らず帆布バッグの中へ吸い込まれていった。口はきっちり閉じ、隙間ひとつ残さない。

浅倉彩実はバッグを斜め掛けにして、グルー院長へ深く一礼する。

「グルー院長、どうかお大事に。私は先に『寮』へ戻ります」

「夜、ハム先輩が帰ってきたら、私のところに来るよう伝えてください」

「先輩の好きなもの、持ってきたんです。それと、ジェニー先生の古いノートも……見せたいので」

「花村秋人も来て。前に私が住んでた...

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