第百四十三章 傲慢なモーガン

浅倉彩実は唇をきゅっと結んだまま、何も言わなかった。

花村秋人は視界の端で彼女の表情を拾い、すぐに察する。

――ここでは言えないことがある。

ジェニー先生がジャグオク王国第一の魔女にまで上り詰めた以上、実力が「五級止まり」なはずがない。

おそらく、もっと強力な術式も握っていたのだろう。表に出していないだけで。

だが、花村秋人は不思議と不安にならなかった。浅倉彩実の顔に、動揺がない。

モーガン相手でも、勝算がある――そう言っているように見えた。

「行こう。外を見てくる」

浅倉彩実は最後の薬剤瓶の蓋をきゅっと閉め、浄化系の薬剤が入った袋をピートに渡す。続いて防御系の薬剤をハムへ...

ログインして続きを読む