第百四十五章 俺を愚か者呼ばわりする気か?!

一同に息を呑み、視線が――あの細い二本の指へ吸い寄せられる。

次の瞬間、目を疑う光景が起きた。

返しのついた鞭が、残像が出るほどの速度で振り抜かれたというのに――浅倉彩実は、その二本の指で正確に挟み取ったのだ。

まるで定身の呪いでもかけられたかのように、鞭は宙でぴたりと停止する。

彩実の手つきは羽根をつまむみたいに落ち着き払っていて、指先はかすり傷一つない。返しが触れたはずなのに、血も出ていない。

「……ど、どうやったんだよ、それ」

ピートが頭をかき、信じられない顔で呻いた。

「モーガンの鞭、あんなに速いのに! しかも返し付きだろ? 浅倉彩実、痛くないのか?」

彼自身、似た魔道...

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