第百四十七章 グルー院長の目論見

指輪の本体は、蔓草が絡み合うような意匠だった。蔓の交差点に、緑豆ほどの黒曜石がひと粒はめ込まれている。石の奥では、淡い光がゆらりと巡り――まるで砕けた星屑をひと掬い、封じ込めたみたいだ。

「短距離転移の機能がある。最大で半径300メートルまで。アクティベーション・スペルは内側に刻んである。命の危険でもない限り、むやみに使うな」

その瞬間、モーガンの視線が指輪に吸い寄せられ、瞳孔がわずかに開いた。こういう巫具は、家の古い文献でしか見たことがない……。

転移機能を持つ装飾品は、ウィザード界でも希少だ。まして、300メートルの範囲で正確に“飛べる”ものとなれば、金があっても手に入らない。

さ...

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