第154章 彼女を引き裂け!

浅倉彩実には分かっていた。あいつらは攻めたくないわけじゃない。ただ――時を待っている。

グルー院長が言っていた。亡霊は夜になると力が跳ね上がる。とくに18時を過ぎた頃、陰と陽が入れ替わる――その境目が、いちばん危ない。

十二人の護衛は、禁忌のネクロマンシー・スペルすら使える。場にいる魔術師を、まとめて亡霊へ変えることだって可能だ。

だから残された時間は、たった二時間。

日が落ちる前に、この魔衛たちを叩き潰さなければならない。そうしなければ全員、二度と戻れない地獄へ突き落とされる。

「ほんっと役立たずだな。女の陰に隠れてるだけかよ」

ロックが花村秋人を一瞥し、鼻で笑った。声には嘲りが...

ログインして続きを読む