第153章

その深淵のような瞳には、万物を焼き尽くさんばかりの凄まじい怒気が宿っていた。直視することすら憚られるほどの、圧倒的な威圧感。

彼の視線は鋭利な刃物のように、リビングにいる柊坂櫂人と綾瀬茉莉を瞬時に射抜いた。

綾瀬茉莉が五体満足であり、ただ顔色が悪いだけでそこに座っているのを確認すると、硬く強張っていた彼の顎のラインが、ほんの僅かに緩んだ。

彼は両脇から制止しようとする柊坂家のボディガードたちを一瞥もせず、その長い脚で大股に部屋へと踏み込んでいく。

訓練された屈強なボディガードたちでさえ、霧生澪が放つ強烈なオーラに気圧され、たった一度の冷徹な眼差しに射すくめられて、指一本動かすことがで...

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