第180章

これだ!

綾瀬茉莉は大きく息を吸い込み、体内に残された最後の力を振り絞った。

肩で息をするたび、胸が激しく上下する。喉の奥には、無理やり飲まされた薬の苦い味がへばりついていた。

呼吸をするだけで、全身の節々が悲鳴を上げる。二日間にわたる監禁生活が刻み込んだ痛みだ。

彼女は渾身の力で手を伸ばし、サイドテーブルの上の陶器の皿を薙ぎ払った。

「ガシャンッ——パリーン!」

皿が硬いコンクリートの床に叩きつけられ、甲高い破砕音と共に四散する。

鋭利な破片のいくつかがパイプベッドの柵に当たって跳ね返り、床に散らばりながら乾いた音を立てた。

ほぼ同時に、茉莉は残る力をすべて使い、ベッドから...

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