第131章 冤罪のカモ?篠原温人?

波村奥様は上機嫌だった。普段の篠原綺乃はこういう集まりにほとんど顔を出さない。出たとしても、形だけ参加してさっと引き上げる程度だ。

せっかくお茶を淹れたのだから、今日はきちんと味わってもらいたいのだろう。

桜井雨音が二人のそばへ歩み寄り、何気なく視線を上げた瞬間――篠原綺乃の目と、真正面からぶつかった。

篠原綺乃は一瞬、きょとんとする。気まずさが走ったのか、次の瞬間には鼻でふん、と冷たく息を吐き、いかにも高慢そうに顎を上げた。

けれど雨音には分かる。その薄っぺらい高慢さは、たぶん、さっきの気まずさを隠すための鎧だ。

「桜井先生、このお茶、どう思う?」

波村奥様に促され、桜井雨音は...

ログインして続きを読む