第186章 比べなければ傷つかない

 二時間後、瀬戸利加と瀬戸優矢は、両手いっぱいに大きな紙袋を提げてデパートから出てきた。

 そのとき――

「しまった! ネックレス買い忘れた! ほら、戻るわよ、早く!」

 瀬戸利加が声を張る。

 だが瀬戸優矢は、両手の荷物で身動きも取りづらい。歩き回りすぎて脚も限界で、顔をしかめた。

「母さん……今日はもういいだろ。こんなに荷物あるし、行ったり来たりとか無理。死ぬって」

「でも……」

 瀬戸利加は眉を寄せた。確かにこの量では動きづらい。

 次の瞬間、彼女の視線がするりと滑り、菅原玉恵の首元で止まった。

「あれ? あんた、そのネックレス……まあまあじゃない。ちょうだい。あんた...

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