第7章

診察室で、鈴木医師が私を迎えてくれた。

「天野さん。……治療方針を最終決定する前に、もう一度、あなたのケースを個人的に再検討させてほしいのです」

「先生、私はもう、自分の運命を受け入れていますわ」革張りの椅子に深く腰を下ろしながら、私は静かに言った。「ただ、残された時間、息子と穏やかに過ごせるか……それだけが、気がかりなのです」

午後二時半、鈴木医師は私たちを再び個室の診察室に呼び入れた。その表情は、先ほどとは明らかに違っていた。

「天野さん、信じがたい、驚くべき知らせがあります」先生は慎重に、一つ一つの言葉を確かめるように切り出した。「あなたの、最初の診断ですが……あれは、完全...

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