第15章

保坂心月は即断即決で荷物をまとめ、運転手に命じて最速で病院へ向かった。

こんな大チャンス、逃すわけにはいかない。

瀬戸北斗が目を覚ましたとき、最初に視界に入るのが自分だったら――きっと胸を打たれるはず。

そのまま病院で甲斐甲斐しく世話をすれば、「瀬戸夫人」の座は自分のもの。

心月の頭の中では算段がぱちぱちと鳴りっぱなしで、運転手を急かす声も止まらない。もっと速く、さらに速く。今すぐにでも飛んでいって、北斗のベッド脇に張りつきたいくらいだった。

A市、RM病院。

手術室の扉がようやく開いた。

瀬戸北斗は病棟用ベッドに乗せられ、静かに押し出されてくる。立花柊は駆け寄り、息を詰めたま...

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