第19章

女心というのは分からない――そう言うけれど。

立花柊は、仏頂面の瀬戸北斗をちらりと盗み見て、内心こう思った。

(女より、この男のほうがよっぽど分かんないんだけど)

さっきまで二人で朝食を取りながら、冗談まで飛び交っていた。空気だって悪くなかったはずだ。

それなのに、どうして急に機嫌が落ちたのか、柊にはさっぱり見当がつかない。

……まあ、いいか。

弁当箱に残った朝食を覗き込み、遠慮がちに切り出す。

「瀬戸社長、もう召し上がらないなら……私が全部いただいてもいいですか?」

瀬戸北斗が返事をするより早い。柊はもう弁当箱を手に取り、ぱくぱくぱく、と残りをあっという間に片づけてしまった...

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