第38章 妊娠していない

瀬戸北斗は立花柊の件で頭を抱えていて、正直、待てる余裕なんてなかった。苛立ちを隠しもせず言い捨てる。

「用があるなら手短に言え」

「いやさ、昨夜なんだけど。個室出て、階段のとこで一服しようと思ったんだよ。そしたら――な? 何が起きたと思う?」

季原青陽がわざとらしく声を潜め、もったいぶる。

瀬戸北斗は氷みたいな目で一瞥し、無言で「要点だけ言え」と圧をかけた。

季原青陽は首筋がぞくっとして、慌てて言葉を畳む。

「結論から言う。昨夜、俺が立花秘書に付き添って病院行ったんだけどさ。妊娠してなかった。検査結果が間違い。全部、ただの勘違いだった」

瀬戸北斗の瞳がわずかに細まる。低い声が落...

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