第54章 人を見つける

立花柊は胸の内で、瀬戸北斗の女になるなんて話を受けなくて本当によかった、とそっと安堵した。

男に籠の鳥みたいに囲われて生きるなんて、そんなものは彼女の望みじゃない。

……まして、その間には保坂心月がいる。

連絡の取れなくなった保坂心月を思い出すと、胸の奥に不安と焦りがじわじわ広がった。

ふと、頭の中で何かが繋がった。

立花柊は立て続けに何本も電話をかけ、ようやく友人の、そのまた知人づてに住所を聞き出した。

彼女はすぐさまタクシーを拾い、教えられた場所へ向かう。

着いてみると、そこは高級マンションが立ち並ぶ一角だった。

瀬戸北斗の住む千の苑には及ばないにしても、見劣りはしない。...

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