第67章 婚約破棄

瀬戸北斗は、もともと周防徳勝を始末するつもりでいた。そこへあの録音だ。おかげで、ついでに両家の婚約まで白紙にできる。

まさに棚からぼた餅だった。

その夜のうちに、周防徳勝はプライベートクラブで酒を飲んでいる最中、踏み込んできた捜査員にそのまま連行された。

その報せが広まるや、帝都の財界は小さくない衝撃に揺れた。

周防徳勝本人は、そこまでの大物というわけではない。だが、スターライト・メディアは芸能界で長年地盤を築いてきた会社だ。絡み合った人脈は根深く、どれだけの人間の弱みを握っているのか知れない。

そんな男が捕まったのだ。今ごろ眠れぬ夜を過ごしている者も、ひとりやふたりでは済まないだ...

ログインして続きを読む