第70章 はぐれ老人

警備員は、身長190センチ近くはありそうな大男だった。高いところから立花柊を見下ろし、眉間にぐっと皺を寄せる。

「物乞いは中に入れないんです。店の決まりで、俺が勝手に言ってるわけじゃないんですよ。なんで俺が責められなきゃいけないんですか」

「誰も責めてないでしょ? このおばあさん、見れば普通じゃないって分かるじゃない。認知症かもしれないのに、どうしてすぐ警察に連絡して、ご家族を探してもらおうとしないの? なんで何度も押したりするのよ」

立花柊は老人を支えながら、はっきり見ていた。

その老女の服は、生地そのものは上等だ。けれど、どういう経緯か泥がべったりつき、あちこち破れていて、見た目...

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