第8章

「さあ、玲奈。停電以来、君が探偵ごっこをしてるのはみんな知ってるよ。問題は、探してたものは見つかったのかい?」

私は彼をじっと見つめたが、その表情からは何も読み取れなかった。

「まだな.......」と、私はようやく口を開いた。

「もしかしたら、探し場所が間違ってるのかもしれないね」

彼が何を言いたいのか尋ねる前に曲が終わり、亮が私をダンスフロアからエスコートしに現れた。

「ちょっとお手洗いに」と私は告げた。起きたことすべてを整理する時間が少し必要だった。

化粧室は、化粧直しをする女の子やデート相手の噂話をする子たちでごった返していた。私が口紅を直していると、先輩である亜沙...

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