第5章

伊佐子視点

海斗に追い出されてから一週間が経っていた。

私はアパートのベッドに横たわり、天井の雨漏りの染みをぼんやりと見つめていた。丸一日何も食べていなかったが、胃の空っぽな感覚よりも、胸にぽっかりと空いた穴の痛みの方がずっと鋭かった。

枕元にはスマホが静かに置かれている。それを見るのが怖かった。海斗からのメッセージを見るのも、そしてそれ以上に、何も来ていないのを見るのが怖かったのだ。

しかし、退屈と痛みに突き動かされ、手を伸ばしてインスタを開いた。

画面に最初に表示された投稿が、私の世界を瞬時に崩壊させた。

海斗のプロフィール写真。見慣れたあの笑顔。でも、彼の前でひ...

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